最近のトラックバック

フォト

映画・テレビ

2015年7月 6日 (月)

アラン・ドロンの「サムライ」~ボームメルシー

梅雨に入ってからここ10日ぐらい、毎日雨模様である。
ジメジメムシムシするが、例年以上に肌寒い日々が続いている。

このような中、朝は外を行き交う車の水しぶきの音で目が覚める。


それでこんな映画を思い出した。
1969年のフランス暗黒街映画「サムライ」。
ジャン・ピエール・メルビル監督、アラン・ドロン主演である。
映画も、4月の小雨ぱらつくどんよりとした天気の朝、引っ切り無しに行き交う車の水しぶきと小鳥の鳴き声の音から始まる。
一人の孤独な若い殺し屋の無味乾燥な日常とあっけない最期を、パリの様々な風情にからめて描写していた。

Alaindelon1


当時高校生になったばかりの私は、アラン・ドロンが仕事に向かう(つまり依頼を受けて殺しに行くのだ)前にやる、服を着る時の儀式に憧れた。
スーツをシックに着こなし、トレンチコートをカッコ良くはおる。
トレンチの襟は立てるのが正解。
そして儀式の仕上げは、帽子を被る際に、ふちをゆっくりと指でなぞって形を整えるのだ。
この仕草が、もう最高にカッコイイ!!

Alaindelon2


下写真は足として使う車を物色しているところ。
手際良くルノーの車内に入り込み、数十個あるエンジンキーを座席において一つ一つ刺してエンジンを動かそうとするシーンが秀逸だった。
十数個目で盗難車のキーと同じキーを差し込んで、車を動かす。
しかし動く時の反動で、座席に置かれた沢山のキーが床にばらまかれないか、私は密かに心配した。
まあ、ファッション的でカッコイイ映画なので、そういうお間抜けな事にはならないらしい(苦笑)。

Alaindelon3


さて、この殺し屋ジェフがターゲットのいる部屋に押し込み、拳銃を構えるシーン。
袖口から時計が見えている。

さきほどの車を盗むシーンでも、この時計が出て来てジェフは時間を確認していた。
その際の仕草が超カッコイイの一言。
たかが時刻を確認する動作がここまでカッコ良くなるとは!!

アラン・ドロンは右腕に時計をしている。
しかもだ!
下写真でも分かるように、内側にしているのだ。
右手を捻じってこの内側の時計を覗きこむシーンが、超絶カッコイイ。
ここまでの仕草が出来る俳優も希有である。

Alaindelon4


この時計をアップにしてみよう。
なんと!、Baume et Mercier(ボーム&メルシー)である。
Paneraiのラジオミールのようなケースにローマンインデックス、そして2針。
簡素だがとてもシックである。

Baumemercier


後年、30歳代前半の私はニューヨークに出張に行ったついでに、初めて高価な時計を買った。
この「サムライ」のボーム&メルシーが頭にあったので、5番街のデパートでこのブランドを見つけた時は、舞い上がらんばかりに嬉しくなった。

下写真は、今から30年近く前に買ったボーム&メルシーである。
当時全盛だったクオーツ仕様でタンクを模したスクエアな形状。
金無垢で2針、ローマンインデックス。
確か当時のレート(1ドル=130円ぐらいだったか)で30万円ぐらいしたと記憶する。


クォーツだろうが、Cartierのタンクに似ていようが、2針だろうが、当時の私には全く関係なかった。
とにかくこれで、憧れの「サムライ」のジェフがしていた時計と同じブランドの時計を手に入れたのだ。

気に入った時計を買う行為、欲しい時計に憧れる行為なんて、案外こういう単純明快なものではないだろうか。

Baumemercier1

2017年10月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        
無料ブログはココログ