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アンティーク懐中時計

2014年3月29日 (土)

寄り道としてのアンティーク懐中時計~ドイツの技術は世界一ィィィィー(下)

バーゼルフェアでのRolex新作についてはまだ少し書きたいことがあるが、その前に、今月中に今続けている懐中時計の話を片づけたい。

Huber3

この懐中時計はケース径51mmと手の中に握りやすいスタンダードなサイズで、ポーセリンの文字盤にはヒビ、割れ、欠けの類は一切なく、汚れもほとんどない非常に綺麗な状態をキープしている。
だから視認性も抜群である。

裏側も擦り傷程度で深く大きなキズのない、かなり良いコンディション。
龍頭もぐらつきや空回りは全くなく、タイトでスパルタンな感じに溢れている。
裏蓋の内側の文様のなんと綺麗なこと!!
普段見えない所にまで気を配り、手間を掛けまくっているのが分かる。
クロムとニッケル含有ステンレス鋼(ステイブライト;Stayblight)の永遠ともいえる輝きにウットリする。

Huber3d_2
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Huber3e_2


ま、これだけ綺麗で元気な状態で残っているということは、あまり使われなかったか死蔵され続けてきたのかもしれない。
ちなみに、裏蓋も表蓋(文字盤カバーのガラス風防)も、さすがはドイツ製品らしく精密にピッチリとすき間なくはめ込まれている。
だからこじ開けやナイフを使っても、中々蓋は開かない。

私ももう数年保有しているが、裏ぶたを開けたのは今だ1回しかないのだ。
IWCの懐中時計だと、しょっちゅう裏ぶたを開けてムーブメントの動きを楽しんでいるのだが。
とにかくこのドイツ製は開けにくい。
ということは、余計なゴミや埃がムーブメントに進入する余地は少なく、それがゆえに故障が少なくこれまで正常状態を保ったまま来れたのではないだろうか。
私にはこっちの方がありそうな理由に思える。

Huber3b

この懐中時計、さすがに『ドイツの技術は世界一ィィィ~』と謳われるぐらいで、90年近く経った今でも日差+15秒前後という脅威的な性能を発揮して元気に動き続けている。
以前煩わされたHebdomasとは月とスッポン、雲泥の差だ。


(この項、おしまい)

2014年3月25日 (火)

寄り道としてのアンティーク懐中時計~ドイツの技術は世界一ィィィィー(中)

さて、スプリットセコンドとは、高機能化されたクロノグラフの上位機種のことで、”ラトラパンテ(rattrapante)”とも呼ばれる。
複雑時計の一つで、クロノグラフ秒針が2本あって、複数のラップタイムを計ることが出来るようになっている。
計測の操作は簡単で、龍頭のボタンでストップウォッチのスタート、ストップ、リセットを行い、左上にある少し大きなボタンで、スプリットセコンド針のストップ、リセットを行う。
スプリットセコンド針のリセットとストップは、一回の計測中に何度でも可能。

Huber2
Huber2b_2

この懐中時計のムーブメントはLePhare製で、その中で最上位のものらしい。
主な特徴を挙げると
・クロノグラフの部品(スプリングやレバーなど)は全てに面取りとヘアライン仕上げが施され、非常に手の込んだ作り
・特に、スプリットセコンドの歯車の動きを規制するバネがスプリングではなく丁寧に面取りされた板バネ
・機構が文字盤裏ではなく機械側に配置されているので、動作の確認やメンテナンスが容易
・ドライビングホイールに受けと穴石が配置され、トランスミッションホイールの受けにも石が配置されて多石
・クロノグラフ制御は、部品の耐久性と操作性に優れるコラムホイール(ピラーホイール)。
・テンプはバイメタルのチラネジ付き切テンプを採用
・ヒゲゼンマイは姿勢差に強いブレゲスパイラルゼンマイを採用

Huber2d

■モデル
Andreas Huber Split Second Chronograph "Rattrapante"
1920年~30年代ドイツ製 スプリットセコンドクロノグラフ ”ラトラパンテ”

■ケース
オリジナル Stayblight(クロムとニッケル含有ステンレス鋼)オープンフェイスケース
ケース径51mm(除リューズ)
裏蓋の開閉はヒンジ式

■文字盤
オリジナル ポーセリン(陶器)ホワイトダイアル
ブレゲ風アラビックインデックス
12時に30分計、6時にスモールセコンド

■針
オリジナル オール・ブルースチールハンド

■風防
ガラス風防

■ムーブメント
LePhare製 手巻き18-21石(Model:128VCC)
16サイズ
手巻き 17石 18000振動
龍頭巻き、龍頭引き時刻合わせ


ムーブメントを見ると、その独自の小宇宙の世界に惹き込まれてしまう。

Huber2c_2
(続く)

2014年3月24日 (月)

寄り道としてのアンティーク懐中時計~ドイツの技術は世界一ィィィィー(上)

数年間に10数個の個体を買ってみたが、今現在も手元に残してあるのは、このブログのトップに掲載した1910年代IWCと、これから紹介するドイツ製懐中時計の2個のみ。
このドイツ製懐中時計はスプリットセコンドクロノグラフ、通称『ラトラパンテ(rattrapante)』というクロノグラフの最高級機種で、非常に希少かつ高価な懐中時計である。

Huber1

Huber1b

1920年代後半から30年代前半の、いわゆるナチスドイツ勃興時期の製品で、『Huber』というミュンヘンの代表的な時計屋の名前が冠されている。
『Huber』とは販売元のAndreas Huberのことで、東京でいえば服部時計店の銀座和光やニューヨークでいえば5番街のティファニー宝石店に相当する時計と宝石の専門店である。

1856年にミュンヘンで創業し、現在も続く名門店らしい(私は行ったことはない)。
その歴史をザッと見ただけでも

・1888年と1912年に「Koniglich bayerischer Hoflieferant(王室御用達の時計納入者)」の称号をバイエルン王国より授与
・1924年に気球船ツェッペリン号のクロノメーターの製造、据えつけを担当
・1936年冬季オリンピックの公式タイムキーパー
・第二次世界大戦中、A. Lange & Sohneの軍用時計の多く(今ではそのほとんどが伝説的な希少価値の時計となっている)をHuber経由で国に納入

と、錚々たる実績を残している。

Huber1c

1930年代当時も、ナチ高官やドイツ将校達がよく買い物に来たらしい。
なにぶんナチスドイツゆかりのミュンヘンにお店を構えているのだから、さもありなん。
この懐中時計も、ひょっとしてドイツ将校が購入し保管していたのではないかと、売り手に言われた(まあ、鵜呑みにはしていないが)。

私も当ブログの自分のアイコンに、このHuber製懐中時計のムーブメント(上写真)を採用しているほど、お気に入りなのだ。
この複雑なラトラパンテのムーブメントにはえも言われぬ独特の小宇宙を感じてしまい、ウットリする。


長くなるため、一旦ここで切って上中下編にしよう。
なんせお気に入りゆえ、書きたいことは山ほどある。
続きは明晩以降ということで。

(続く)

2014年3月21日 (金)

寄り道としてのアンティーク懐中時計~Hebdomasはヘボでおます(下)

同じメーカーの似たようなものを、毎回の故障に懲りずに3個も買い求めるなんて…。
売ったり買ったりを頻繁に行う人達の事を、私だってとやかく言えませんわな(汗)。

さて、3個目のHebdomasはこちら。
1個目と2個目が非常にレアな3針+カレンダー仕様だったので、それに懲りて今度はシンプルに2針かつノーカレンダーにした。

Hebdomas6

このタイプはネット検索すると良く見かける一般的なものである。
私が買ったのは文字盤が赤紫系統の色なので、少々女性っぽいのが玉にキズ。
文字盤のバリエーション違いでブルーやグリーンもあるので、ホントはそっちの方が好みではある。
とはいえ、これも文字盤にクラックは少なく(2~3ヶ所あるのみ)、汚れや傷の類も許容範囲だった。

1940~50年代頃のものと思われるが詳細は不明。
ケースの直径は48mmで、丸っこくて手に持った感触が最高に良かった。
Hebdomas自体が非常にレアな品だけに、まあ赤紫文字盤でもイイかと妥協した。


しかし…、である。
3回ともほとんど同じパターンなのでもうこの時点でかなり辟易していたのだが、8日巻きを謳うのにパワーリザーブは1日足らずしか持たない。
特にこの3個目は酷く、ゼンマイを目一杯巻いても14時間で止まった。

目視でテンプの振りが不均一な感じがしたので、ビンテージ時計専門業者にオーバーホールを依頼した。
しかし帰ってきた答えは、Hebdomasのような特殊な懐中時計は扱ったことがなく、香箱を分解してゼンマイまで含めて全てをオーバーホールすることは出来ないとのこと。
しかたがないので、テンプ回りとヒゲゼンマイの調整、そしてケースの簡単な洗浄を依頼するに留まった。

Hebdomas7
Hebdomas9

オーバーホールを終えた時点で日差-2分。
しばらくは正常に動いているかに見え、私も「こりゃ意外にイイな、掘り出し物だったかも!?」と紅茶を飲みながら深夜一人悦に入ることもあった。

しかしその幸福な時間は極めて短く過ぎ、またしても動かなくなってしまう。
まあ今回は数万円出しただけの安物買いだったので、惜しげなく売却。
もう2度とHebdomasには近づかないことを誓った。

Hebdomasはヘボでおます。
Hebdomasにはヘドが出ます。

Hebdomas8

私は、大枚はたいて自分の管轄に入ったモノに振り回されたり、イライラさせられたり、心配させられたりするのが、大嫌いである。
だからアンティーク品やビンテージ品のように、高い金を払って購入した後に自分がその品物に神経を使って、『管理人』ひいては『奴隷』とならざるを得ないものには決定的に疲れてしまう。

その点Rolexなどはメンテフリーと言っていいほどの高信頼性と高頑強性を誇るので、心おきなく使えるのだ。
モノとは、そして道具とはこうであらねばなるまい。
こちらが平身低頭して「なんとか面倒見ますから動いて下さい」などと気を使わなければならないモノは真っ平願い下げである。


この一連のHebdomas騒動から、私は自分なりのポリシーを今まで以上に強固に確立した。

モノは使えてナンボである。
これ以上でもこれ以下でもない!!
そして自分は、そのモノの奴隷(管理人)となってはいけないのだ。

神経を使ったり恐る恐る使わなければならないようでは、まさに本末転倒!!
自分はあくまで使ってやる主人でなければならぬのだ。

(この項、これにておしまい)

2014年3月19日 (水)

寄り道としてのアンティーク懐中時計~Hebdomasはヘボでおます(中)

強制退去に処したHebdomasの懐中カレンダー時計。
日を追うに従って、やはりまた欲しくなってきた(爆笑)。
なんといってもクラシックで端正な味がある。
レアな3針というのも魅力的である。
またカレンダー仕様だからとても便利に使えそう。

ちなみにこのタイプのHebdomasは、現在ではネットですら全く見かけなくなった。
e-bayなどでもほとんど出品されていない。
だから私が欲しかったブツは、今から思うと非常にレアなシロモノであったのだ。


今度もまたグローバルに(苦笑)ネットで探す。
1ヶ月後ぐらいだったか、あったあった、国内のそれも地方の懐中時計専門会社。
そして今度の会社には専門の技師集団もサポートしているみたいだ。

ということで、時期の近い(1910~1920年代ごろか?)同じ仕様のHebdomasを見つけた。
今度のモノは文字盤が私の大好きなローマンインデックス。
売り文句では日差±2分、文字盤は非常に綺麗でクラックなし、他に問題なし。
しかも技術者集団がサポートしているという絶対的な自信を垣間見せている。
これは行かない方がオカシイだろう!
ということで、またも速攻決断で大枚はたいてしまったのだ。

Hebdomas20


上写真が購入したもの。
文字盤のローマンインデックスと3針、そしてカレンダー機能がそそる。

しかし…、しかしである。
結果は惨敗。
とにかくまたもや動かない(苦渋笑)。
これも即座に返品(当たり前だが、送料は向こう持ち)。


Hebdomasはヘボでおます!


ところがである。
懲りない私は、豆腐の角に頭をぶつけて大破すべきなのではなかろうか?
2度あることは3度あるという。
いやホント、3回目もあったのだ、実際!

(続く)

2014年3月16日 (日)

寄り道としてのアンティーク懐中時計~Hebdomasはヘボでおます(上)

さてさて、この懐中時計には散々苦労させられたので、事の顛末を書き留めておこう。
メーカー名はHebdomas。
ヘブドマス…、ヘボでおます。
ヘブドマス…、ヘド出ます。
いったいどこのメーカーじゃい!?(苦笑)。

Hebdomas1

実は1888年創業のれっきとしたスイスのメーカーで、名前の由来は古代ギリシアの祭事に関係するそうな。
文字盤の下三分の一をシースルーにしてテンプなどの動きを見えるようにした、8日巻き懐中時計が非常に有名である。

懐中時計ファンでHebdomasを知らない人はほとんどいないだろう。
それぐらい有名なメーカーではある。
だから決してヘボだったりヘドが出るわけではない…(苦笑)。


さて、最初に買ったのはいかにもクラシックで上品な、デイト表示と曜日表示のついたカレンダー付き8日巻き。
しかもほとんど大部分のHebdomasは2針であるが、これは秒針までついた3針。
かなりレアである。
まさに骨董的なシロモノ。
年代は1900年代とのことで、さすがに実用にはならないであろう。
ふれこみでは日差±2分、特に問題なしとのことだった。


Hebdomas1a

裏蓋を開けてみよう。
巨大な香箱が裏全部を占める。
8日巻きということで、この巨大な香箱に8日間分の長大なゼンマイが入っている。
このゼンマイがクセモノで、長大ゆえにコシが強く、中途半端な力や技量では香箱に入らない。
だからメンテや修繕も、技術者を選ぶ。
私も2社に断られた。

Hebdomas2_6
Hebdomas3_10
Hebdomas21


表側は、はめ込み式のガラス風防を外すと文字盤を見ることが出来る。
1900年代製なのに、エナメルの文字盤はほとんど欠けもクラックも見当たらず、各針もクラシック感に溢れている。
こういう品物を買わずして、どうしよう?

さらに、テンプやヒゲゼンマイの様子を目視出来る。
これがまたイイ。
まるでトゥールビヨンみたいではないか(爆笑)。

Hebdomas4

カレンダーは文字盤の端に出ている突起を動かして調整する、完全手動型。
あまり高くはないので、当然パーぺチュアル(永久)式ではない。

Hebdomas5

ここまで気に入ったにもかかわらず、通販で買って送られてきたこの時計は最初から調子が悪かった。
まず、竜頭を巻いても最初の5分ぐらいは全く動かない。
5分後ぐらいにようやく動き出し、そして日差はさらに3~5分(爆)。
2~3日したら、今度は秒針が完全に止まった(更爆)。
ということで購入先に強制送還。

1ヶ月以上かかって修繕してもらい、そしてふたたび届けられた。
そうしたら、なんと秒針がつけられていない(大爆笑)。
信じられない業者ミス。
速攻でクレームをつけ、やむなく強制退去に処した。

デザインとか雰囲気は非常に気に入ったのに…、私は大枚はたいて、ゴミを買ったのである(大爆笑)。

(続く)

2014年3月11日 (火)

寄り道としてのアンティーク懐中時計~素晴らしきWalthamのデミハンター

Walthamのアンティーク懐中時計はおススメだ。
私が購入した個体は1880年代(!)製品にもかかわらず、日差は30秒程度と甚だ性能の良いものだった。

20世紀に入るまでは、スイス製の懐中時計よりアメリカ製のHoward、Hamilton、Waltham、Elginなどの懐中時計の方が実用的で優れていた。
現代ではHamilton、Waltham、Elginなどは低価格時計の代表であるが、当時は素晴らしかったようだ。


さて購入したのはデミハンターといわれるタイプで、金張り(GP)のもの。
大きさは直径約50mmで、視認性も良好、持ち運ぶにも手頃である。
ローマンインデックスで両蓋のついた、これも極めてオーソドックスなもの。

Walthamdemihunter1

このデミハンター、蓋をしていても外から時刻が分かるというもので、考案者はなんとあのナポレオンだとか。
だからこのタイプは別名ナポレオンハンターともいうらしい。

外蓋の周りにもインデックスが入り、その外周には浅く彫りのナナコ(魚々子)文様が入っている。
蓋を開けると、3針でローマンインデックスの文字盤。
1880年代製にもかかわらず、ほとんどクラックもシミもキズもない、とても綺麗なエナメル文字盤だ。
A.W.W.Co.とあるのは、American Waltham Watch Companyの略。
蓋の開け閉めは気持ちの良いぐらい快調で、ヒンジも全く問題がない。

Walthamdemihunter2

ケースの裏側にもナナコ文様が入り、とても上品な雰囲気である。
ムーブメント側の蓋にも目立つキズはなく、刻印もバッチリ視認出来る。

Walthamdemihunter3_2
Walthamdemihunter4


さらにこのムーブメントの美しさ!!
ムーブメントの部品まで金張りにし、さらに花柄文様を彫ってある。

Walthamdemihunter5

このとても素晴らしいWalthamのデミハンター、残念ながら今は手元にない。

このデミハンターには、文字盤の保護用にガラス風防が使われていた。
私は、この薄いガラス風防をミスして割ってしまったのだ!!
割れるとはとても思えないほどの力で、風防を磨いていた時にそれは起こった。
ピシッというかすかな音とともに、風防には蜘蛛の巣のような割れが幾重にも走ったのである。
経年劣化であろう(苦笑)。

突然のアクシデントにビックリし(ああ、割れるものなんだ…が最初の感想)、そして茫然自失。
あまりにも脆い、いや脆過ぎる。
とても気に入り、日差30秒以内なので実用的にも使えていただけに、とても残念であった。

しかし、それほどお気に入りであるのなら、吉祥寺の懐中時計専門店「マサズパスタイム」あたりに修理に出せば良いではないか?
でも私はそうしなかった。
やはり実用にはほど遠い。
アンティークはアンティーク。
コレクションボックスの中に大事にしまって、紅茶でも飲みながら目で楽しむ、あくまでこういう楽しみ方しか出来ないのだ。

しかしそういう楽しみ方をしていても、いつかは滅するのがこの世の習い。
手にとって眺めたり、たまに竜頭を巻いてムーブメントの動きを見たり、そして私のように風防をセーム革で磨いて楽しんだりするだけでも、ちょっとしたミスでキズをつけたり落として壊したりしてしまう。
だったら箱の中に後生大事にしまい込んでおくか、額に入れて飾って眺めるのが精々だ。
でも、額に飾って眺めるだけならば、写真集でも買った方が壊れたり傷ついたりするのを心配しなくて良い分、精神的に安定する。
大枚はたいてわざわざ古臭くて今にも壊れてしまいそうなものを買って、そしてその『管理人』になる酔狂は私には出来ない。

Walthamdemihunter6

ということで、マサズで10万円もの修理やメンテナンスの費用を掛ける価値はない、そう判断したのである。
風防がなくなった分買い値より安くなってしまったが、それでも70%は元を取った。
回収された資金は、後々Rolexに回ることとなる。

2014年3月 9日 (日)

寄り道としてのアンティーク懐中時計~クォーターリピーター

年度末ということもあってか、なんだか忙しい。
時計ブログを書く時間が中々取れず、なんだかんだで1週間以上音沙汰なしだ。

さて前回までのビンテージ時計への寄り道によって、私の欲しい時計の大まかな所が分かってきた。

・手巻きがベター(しかし現行品は自動巻きが大多数→しかたなくワインダ―を導入するか?)
・日差は最大許容で10秒以内
・荒っぽい普段使いに問題ないこと
・防水(100mあれば問題なし)

しかし愚かな事に、私は現行に行くまでにさらに寄り道をしてしまったのだ。
しかもそれは懐中時計という、現代人が趣味のコレクション以外でほとんど実用としては持たないアンティークな懐中時計である。
今から思うとピントはずれもいいところだ。

今回は私が出会ったアンティーク懐中時計のうち、良さげなものを3つ4つご紹介しよう。
100年近い年代物のジジババ時計なので、純粋なコレクション以外の用途には全くおススメしない。

IWCについてはこのブログを始める際に真っ先にご紹介した。

それ以外で行くと、まずは1908年製のクォーターリピーター懐中時計、シルバー・ハンターケースである。
下写真のように、ごくオーソドックスな正統派のデザインで、私の大好きなローマンインデックスだ。
レバーを操作すると、現在時刻を15分刻みで鐘の音で知らせてくれる。
腕時計でこの手のものを買うと、優に500万円は越える。
しかし懐中時計ならば、PPやAudemars Piguetの金無垢ですら100万以内で買えてしまう。
私が目をつけたのは、まさにこの安さであった。
ミニッツリピーターだろうがパーぺチュアルカレンダーだろうがラトラパンテだろうが、懐中時計になると各段に安いのだ。
ある意味あたりまえである。
腕時計より大きいから技術的な難易度は下がるし、なによりとても古くて実用にならないのだから。


さて入手したのは、ケースのホールマークを見ると1908年ロンドン製とあるしろもの。
ネジ巻きは竜頭で行い、時刻合わせはケースの外周にあるレバーを引き出してから龍頭で調整する。
クォーターリピーターの音色は非常に明快な澄んだ鐘の音だった。
しばらくは1日に3~4回この音色を聞くのが日課となった。

Qr1
Qr2_2

ムーブメント:スイス製(パテントマーク有り)
ケース:直径約50mm
      ハンタータイプ(表裏に蓋があり、中蓋もあり、ヒンジで開くタイプ)
           スターリングシルバー(sterling silver = silver 925;銀の含有率が92.5%)
      ロンドン製のホールマーク有り
日差:オーバーホールしても-3分

Qr3
Qr4

しかしリピーターの鐘打ち機構とかムーブメントが複雑で華奢だったため、実用として持って歩くには躊躇した。
決定的なのは購入してから1ヶ月経たないのにリピーターの鐘の音が弱く不規則になってきたこと。
購入時にオーバーホール済みということだったが、すぐに再オーバーホールに出した。
戻ってからも、日差はあいかわらず酷い(-3分程度)。
なるほど、これでは実用どころか持って歩くこともかなわない。
高い買い物だったが、額に納めて飾って眺めるわけにはいかなかった。

ということは実用としては全く問題外。
いくら安くリピーターが入手出来たからと言って、この路線は私には明らかに間違い。
それでもまだまだ路線を修正しようとしなかったのだから、当時の私にはあきれるばかり。
今となってはお金の無駄使いにため息も出る…。

2012年6月24日 (日)

懐中時計趣味スタート、まずはIWCから<その2>

<IWC CAL.65 PURE SILVER OPEN FACE POCKET WATCH 1914 ~1914年製IWC CAL.65純銀オープンフェイス~>

100年近く前に製造されたスイスの名門IWCの懐中時計をご紹介します。

文字盤は白瀬戸物(ポーセリン)、インデックスはローマ数字の盛りつけ(印刷ではないという意味)、”International Watch Co. SCHAFFHAUSEN”と銘打たれています。
ケースの直径=51mm、厚み=13mmでメンズにはちょうど良い大きさです。

針は黒紺色のブレゲ針。
この形でないと満足出来ませんね、さすがはブレゲです。
裏はななこ(魚子)文様の彫刻が施され、100年近く経たにしてはモールドの減りも少なく非常に良い状態を保っています。
ゼンマイはリューズ巻きで、時刻はリューズの横にあるピンを押しながらリューズを回して調整します。
Iwc1a_4
Iwc13a_2

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懐中時計趣味スタート、まずはIWCから<その1>

当コーナーのトップバッターは懐中時計です。

懐中時計に本格的に魅了されたのは最近ですが、ホントは昔から興味がありました。
チクタク響く独特の機械音は、今の無機質な電子音の氾濫する世界で、心の安定と静謐感を与えてくれるように思えます。

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